2011年06月19日

「アイランディア 島の子どもたちとともに」レポートNo.10

「アイランディア 島の子どもたちとともに」の南九州大学・人間発達学部の遠藤です。
私たちは、座間味村の阿嘉小学校、慶留間小学校で活動を続けています。

6月4日(土)に琉球大学で開催された「沖縄生物学会第48回大会」で、慶留間の子どもたちが学会発表をしました。

「アイランディア 島の子どもたちとともに」レポートNo.10



今年の発表は、慶留間小学校の糸嶺春華さん・船附知将くん(現:白川小学校)が「ケラマジカのフン調査」について。

「アイランディア 島の子どもたちとともに」レポートNo.10「アイランディア 島の子どもたちとともに」レポートNo.10

小学生二人の疑問は、「シカは食べたものをすぐにフンにするのか?」

答えはインターネットを使えば、すぐに得られます。
しかし、担任の仲村出先生はインターネットを用いずに、「どうやって調べようか?」という問いかけをしました。
子どもたちから、いろいろな実験のアイディアが飛び出します。

そして、子どもたちが考え出した実験方法は、以前、このブログでご紹介したとおりです。
「アイランディア 島の子どもたちとともに」 レポートNo.8

インターネットは便利な道具ですが、あえて使わないことで、子どもたちのいろいろな発想が生まれました。
目的を考えて道具は使う。当然のことですが、改めて考えさせられました。


大村真生くん(現:慶留間中学校)は「センダン草の研究」についての研究発表をしました。

「アイランディア 島の子どもたちとともに」レポートNo.10

大村くんは、2年前の沖縄生物学会(於:名桜大学)で、「シカの戦い」について発表した経験があります。
そのとき、学会会場で出会った琉球大学の傳田先生(植物)の影響を受け、個人的に植物の研究を始めました。
今回の研究の着眼点のユニークさには、傳田先生からも「素晴らしい!」という言葉をいただきました。


子どもたちの発表は、いまでは、学会の恒例行事となり、研究者も楽しみにしています。
毎回の事ですが、集まった100名を超える専門家の前で、子どもたちは物怖じすることなく発表し、
質疑応答にも的確に答えることができます。



学校現場で「言語力」という言葉を良く耳にします。
スキルトレーニングも必要なのですが、肝心な事は「誰かに話したいこと・伝えたいこと」が子どもたちの中にあること。

そのために必要な教育は何か。子どもたちの学会発表を聞いていて、改めて考えさせられました。


最後に、今回の発表には教育学部からもご参加いただき、どうもありがとうございました。
慶留間・阿嘉の小学校の総合学習を、是非、教育学部の学生・院生のみなさんにも体験してほしいと思っています。
興味ある方は、21COCEF事務局までご連絡ください。

 
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